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アルパカニットの原料を辿って4

ペルー出張記つづき。

9月16日
高山病で苦しい夜を乗り越えたものの、
二人とも朝ごはんがあまり喉を通らない。

見かねたモイセスが、

「酸素吸ってから出発しよう」と言って、

宝箱のような入れ物から、重厚なビンを取り出した。

昨日と違う・・・強力酸素ボンベ?

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一人10分ずつ深呼吸。なんで昨日これ出してくれなかったんだろ・・・。

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心なしか、少し楽になった気がする。

モイセスに、「どのくらい上がるの?」と聞くと、

「30分くらいだよ。標高は4,300mくらい。」と。

「・・・?!」というか「ここはそもそも標高何mなんだ?!」とわけがわからなくなるが、もう気にしない。

車でいざ出発。

道のない山の斜面を、前にバイクか車が通ったのであろう跡を追って、ガタガタ上ること約1時間。

(モイセスの時間感覚は当てにならないことが段々わかってきた。)

やっとアルパカの群が見えてきた。
(すでに高地と車酔いでややボーっとしている)
車から下りて見ると、山の上の方に小さく一人男性の人影が見えた。

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「あの人がこの群の飼い主だよ。アルパカを少し下に下ろしてきてもらおう。」と
大声で何か叫ぶと、飼い主のおじさんが何をしたのかよくわからなかったけど、
少しずつアルパカが近くに下りてきた。

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か、かわいい!!!!!

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わかってはいたけど、なんだこのかわいさは!!!!!

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「このMichelの敷地には全部で4,000頭のアルパカがいて、17人で世話しているんだ。一人200~300頭見ている計算だね。」

「ここにいるのはみんなメスだよ。オスは別の群にいるんだ。」とモイセス。

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一頭一頭、首のあたりにタグが着けられていて、そこには、どのオスとどのメスの子で、そのまた親は・・・と
これまでの遺伝子の情報が事細かに調べられるようになっているらしい。
そうやって、代々優れた品質の毛になるよう、管理、研究しているらしい。
そこが個人で放牧している人たちと、ここの施設の異なるところ。

ここでアルパカの面倒を見ている人たちは、
訪問させてもらった学校に通う子ども達のお父さん。

この来た凸凹道を、子どもたちは週末歩いて帰るのかと思って聞くと、
お父さんたちがバイクで迎えに行くらしい。
(もっと近場の移動には馬を使うらしい。)

きっと子ども達は、毎週末家に帰ると、
「学校ではあんなことがあって、こんなことがあって」と、
両親に色んな話を聞かせるんだろうな、と想像する。

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「子どもの群も見たい?」とモイセス。

ベビーアルパカ・・・見たい!でも正直体調も芳しくなかったので、

「近いなら・・・見たいけど・・・。」

「そんなに遠くないよ!」

内心本当かな・・・と思うも、せっかくだしと更に上へ行くことに。

20分、30分、と経過しするものの子どものアルパカの群は見あたらない。

「移動してるから、正確にはどの辺りにいるかわからないんだよね。」と。

車の後ろに座っている奥野の体調がすこぶる悪い。

「・・・ごめんモイセス。宿に戻ろう。急いで!」

 

と、来た道を早々に戻ってもらう。

本当はもっと上にいたかったけど、体調優先で、断念。。。

山の上では意識がボーっとして大した質問ができなかったけど、
下りてきてようやく頭が働き出した。

時間の許す限り、モイセスに質問したり、
宿の前にいる数頭のアルパカとビクーニャを眺めたり。

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昼食を食べて、「フリアカの空港まで2時間で着くから、ゆっくり休んでから出発しよう。」

とお昼寝して出発したら、やはり2時間ではつかないよ、モイセス!

搭乗時間の10分前に空港到着し、ダッシュで駆け込んだ。

 

道の途中で見えた虹。モイセスも写真におさめていた。

急いでいたからゆっくりお別れできなかったけど、また会えるかな。会えるといいな。

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モイセスに聞きました。

・どのように世話をしているの?

 →オス、メス、子どもたち、その中でも毛の色や質のちがいによって群がわかれている。
 →毎年1月~3月の間だけ、オスとメスはペアで組まれて生活する。
 →子どもが生まれると最初は一緒に暮らすが、8か月で乳離れし、別々に生活。

・毛刈りについて

 →毛を刈るのは年に1回で、一頭からとれるのは大体300g。(マフラー1本分くらい)
 →17人で協力し合って、4000頭の毛を刈る

・ベビーアルパカって子どものアルパカの毛?

 →繊維の細さで分類していて、イコールではない。
 人間と同じように子どもの毛の方が細くて柔らかいが、
 大人でもいい毛を維持しているアルパカもいる。

 Michelの場合、
 スーパーベビーアルパカ:19-20 ミクロン
 ベビーアルパカ:21.5-22.5 ミクロン
 スーパーファインアルパカ:25.5-26.5 ミクロン
 スリアルパカ: 27.5 ミクロン
 他:30 ミクロン以上
 (1ミクロン=0.001ミリメートル。数値が小さい方が細い。)

・アルパカの寿命は?

 →15歳~20歳。子どもを産めるのは8歳くらいまで。

・繊維に使われるアルパカは何歳?

 →4歳~8歳。8歳を過ぎたら、売ってしまう。(ショック!)
 高地の多くの地域ではアルパカを食べる。

・アルパカの需要は?

 →欧米のブランドがよく好んで使うが、日本と中国もたくさん買っているから値上がり傾向。
 →ペルーの産業にとっては、いや、原料を作っている立場としては、
 ファッションのトレンドに大きく依存していて、
 有名デザイナーが使うと、混率の1%、2%、3%、7~8%の時もあるけど、
 マーケットでの需要が高まって、より多く売ることができるから、それだけでもとてもいいこと。

 →ペルー国内では、価格は高いけれどもベビーアルパカ100%の商品を多く見つけることができる。
 →カシミヤやウール、シルクと混ぜることもある。
 アレキパ(紡績工場のある地域)では、輸出用に混紡をたくさん作っている。

我々としては、アルパカの繊維は優れたもので、
数%使っただけではその良さは伝わらない、もったいないとの見解から、
極力100%にこだわっているのだとモイセスに力説しました。

「高くなるじゃないか・・・」とモイセス。

「だから直販にこだわりたいのです!」


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