【MAITEのあったかコラム】 #09 ストレスが積み重なっている自分に気付く

こんにちは。

今月も【MAITEのあったかコラム】をお届けします。

 

【MAITEのあったかコラム】は、MAITE代表の吉田彩子が語り手となって、月に一度、自分を大切にし、目の前にいる誰かを大切にしていくためのコラムです。

 

ーーー

 

今回のテーマは「ストレスが積み重なっている自分に気付く」です。

 

先日、身近な知り合い向けに、メンタルヘルスについての講座を開催しました。

 

実は、私は「EAP メンタルヘルスコンサルタント・カウンセラー」の資格を持っています。

 

その知識や情報を活かして、これまでもこのコラム内で、セルフ・コンパッションについて発信したり、(記事はこちら)時折メンタルヘルスについて言及してきました。

 

これまでは、それ以上の活動はしていませんでしたが、この度改めて、カウンセラー・コンサルタントとしての取り組みを始めようと思い立ち、まずは身近な方々へ声をかけて講座を開催することにしたのです。

 

きっかけは、「変化」の真っ最中である人が周りにいっぱいいたから…!

 

転職、妊娠・出産、仕事復帰、大きな病気や手術、引越し、ライフステージ、などなど、

生活の中で起きている様々な「変化」。

その「変化」によって、実は積み重なっているストレスや疲労のことを、みんなに知ってほしい、強いていえば、自分自身で気づいてケアができるようにサポートしたいと思ったからです。

 

これからご紹介するお話は、今変化の最中である方、または昨年変化があった方、そして変化がこれからありそうな方に、ぜひ知っていただきたいお話しです。

 

1

今回の講座で使用したメインのツールは、「社会的最適応評定尺度(SRRS)」というもの。
簡単に言うと、変化を伴うライフイベントは、それがどんなに小さなことでも、または喜ばしいことでも、必ずストレス(疲労)の負荷がかかっているよ。それを数値化して見える化してみよう!というものです。
ライフイベントの変化には必ずストレスが付いてきます。

(仕事の変化、近しい人との不和、引っ越し、離婚、死別などさまざまな出来事)

結婚や、妊娠、出産、子どもの入園や入学など、それが例え喜ばしいことでも、です。

 

ライフイベントHolmes

私は日本は「一億総バーンアウト社会」なのでは、と思っています。
・休息をとる機会がないまま、駆け抜け続ける

・「これは小さなことだから、どうってことない」と自分のストレスを過小評価する

・「周りも頑張っているから」と無理している自覚がない
→ そしてその結果、全員が頑張りすぎ、疲れすぎてしまって、でも周りもそうだからそのまま走り続けて、知らぬ間にみんなで低エネルギー、そして「バーンアウト状態」(=燃え尽き、もう無理、頑張れない…)となってしまう。

自動操縦(オートパイロット)モード(=ストレス状態に適応して、なんとかこなすことはできるけれど、負荷はずっとかかり続けている状態)になっている方も多いはずです。
ワンオペ育児中の方や、仕事が忙しすぎる方、とりわけ<子育てと仕事>や<介護と仕事>の両方を抱えている場合、大体この状態なのではないでしょうか。

2

普段から自分でセルフケアができたら良いのですが、日本人はドクターストップがかかってやっと気づける、休める、というケースが多いのも特徴で、私はここがずっと気になっていました。

自分を甘やかさない/人のために/自分を後回しに、という日本の文化は、素晴らしい反面、自分にかかっているストレスに無自覚になってしまって、その結果、みんなが余白のない状態になってしまっているのではないでしょうか。

それどころか、「余白がある状態」に罪悪感や焦り、不安を感じてしまうので、さらにTO DOをつめこんでしまいがちだと思います。
皆さんは、「仕事をしている時間」や「家事育児をしている時間」など、何かをしている時間以外の、「何もない余白の時間」は、取れているでしょうか?

その余白の時間に、罪悪感を感じてしまっていないでしょうか?

日本人の勤勉な性質によって、「自分の気持ちを感じる力」や、「休むという感覚」が失われているのでは、と思います。

 

3 (1)

この「社会的最適応評定尺度(SRRS)」というツールの良いところは、人生、日常で誰もに起こり得るライフイベントの負荷を数値化し、見える化するところ。
引越しは○点、結婚は○点/近しい人との不和は○点/経済状況の変化は○点など、自分の状況や、直近で起こった(またはこれから起きる予定がある)変化を、ある意味で機械的に数値化していきます。
そうすると、自分では見逃していた(なかったことにしていた)ストレスと疲労の積み重なりを、客観的に数値で把握することができるのです。
自分ではすでに終わった/対処したと思っている出来事も、確実に自分の中には疲労が積み重なっているのです。
そして、未来に対するある程度の予測もできるようになってくるので、その時期には意識して休息日をつくったり、サポートしてもらえる外部の手を頼ったり、変更できる予定は変更したりすることが選択肢として浮かび上がってきます。

私自身、これから起こる、仕事やプライベートの出来事を予測して数値化しておいたことで、仕事上でも私生活でもより良い決定をできたことがありました。
あの時、このツールを使って自分の状態を客観視できていたからこそ、限界まで無意識に突き進もうとする自分にストップをかけ、爆発や極端な落ち込みを避けることができたように思います。

特にパートナーや家族で対話をしていると「自分がいかに大変か」という感情的な議論になってしまいがち。だけど、この数値を使ってみると、「どちらも大変だね」と一緒に客観的に確認できて、肩の力が抜けたり、周りのサポートをもっと頼ろうと前向きに検討することができると思います。

まずは、ストレスと疲労が積み重なっている自分の状態に気付くことが、第一歩です。

自分が思っているよりも、皆さんは本当に頑張っています。よくやっています。

親友に声をかける時のように、自分自身を労ってあげてくださいね。

内容にもしご興味があれば、これからMAITEでも、講座を開いていこうと思っておりますので、ぜひご参加くださいね。

4

 <先日アメリカから来日したEAPA(国際EAP協会)の会長ダンさんとお目にかかることができました。>


Posted in MAITEのあったかコラム, コラムComments Closed 

関連記事