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アルパカニットの原料を辿って3

ペルー出張記つづき。

9月15日
夕方5時頃ようやく目的地に到着するも、吉田も若干頭痛が・・・これはもしかして、
高山病・・・?

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今までの中で一番素敵なお部屋なのですが、
もうそんなことどうでもよくて、この頭のズキズキを何とかして欲しい!
という気分で、ソファにゴロン。

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この日はもう暗くなるので、アルパカを見に行くのは明日。
今日はもうとにかくじっとしてよう!と思っていたら、モイセスが、

「ちょっと休んだら、学校に行こう」と。

・・・学校?

そうだ、ここの近くには、
アルパカの世話をしている人たちの子供が通っている学校があると聞いていた。

とにかく、まずは酸素を吸わせてもらってしばし休憩。
奥野が毛布を持ってきてくれた。
あれ、今度は彼女より私の方が重傷・・・?

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(かなり重症な姿ですが、公開・・・。)

仮眠をとって、6時半すぎ、もう辺りは真っ暗。

寒いし、頭痛いし、正直モチベーションは低下ぎみ。

重い腰をあげて車に乗り込むと、5分ほどで学校に到着した。

もう遅いのに、教室には明かりと子どもたちの姿が。

校長先生や他の先生が出迎えて、あれよあれよという間に教室に通された。

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低学年クラス、中学年クラス、高学年クラス、と3つの教室を周り、
日焼けして頬が赤い子どもたちが、出迎えてくれた。

どの教室でも元気に歌を歌ってくれた後に、質問タイム。
子どもたちはちょっと恥ずかしがりながらも、手を挙げて、

「何歳ですか?」

「どうやってここまで来たのですか?」

「日本語で何か書いて!」

「日本では何食べるの?」

「仲が悪い国は?」

などなど。

一番印象的だった質問は、

「ここまでの旅は悲しかった?楽しかった?」

「もちろん楽しかったよ!」と答えると、

質問した男の子は、「ふーん」と不思議な顔を。

どうゆう意味だろ?と思いつつ、後で考えてみると、
ここは全寮制で、週末にだけ家に帰れる子たちだから、
家族と離れて生活することに、寂しさを感じていたのかもしれない。

だから、君たちも寂しいでしょ、って。

どの教室でも最後に、「歌って!」とリクエストされて、

最初の教室では『チューリップ』を歌って、
次の教室では『ふるさと』を歌って、
最後の教室では『幸せなら手を叩こう』を歌って踊った。
アンコールがあって、最後の最後は子どもたちとも一緒に歌って踊った。

気が付いたら高山病はどこへやら。
モイセスから好評だったと聞いて、嬉しかった。

その後、質素ながら清潔に整えられた、子どもたちが寝る部屋や食事をする部屋、シャワー室、トイレ、先生たちの部屋なども案内してもらった。
ここでは水が貴重なので、手洗いうがいは頻繁にしながらも、シャワーを浴びることができる日は決まっているそう。

この学校は、学校が遠くて親の手伝いをしている子供たちがいるのを見たノルウェー人が、
6年前に寄付でつくってくれた学校らしい。

日本人が寄付してくれたというコンピューターもあった。

ここで教育を受け、仲間と競争することの楽しさを見つけた子供たちは、
進路を考え、専門学校などに行く子もいるらしい。

こんな山奥のアルパカと羊とじゃがいも以外なにもないようなところでも(失礼ですが本当)
学校があって、先生がいて、仲間がいれば、
親の仕事を手伝い、その後を継ぐという人生だけでなく、
他の未来の選択肢ができる。

もちろんそのまま家を手伝うことになる人もいるだろうし、
他の仕事をしたりしてその後実家にもどってくる人もいるだろう。
(ペルー、特に田舎は本当に家族の絆が強い)

だけど、学び、知識や情報を得て、自分の人生が選べる、選択肢がある、ということがどれほど大切なことか。

だからMichelは、利益を使ってこの学校を支援しているらしい。

いい毛のアルパカを育てるには、
世話をしている人たちの生活が、尊厳のあるものでなければならない。

心があったかくなって、宿に戻り、
お腹にやさしい夕食を用意してもらった。

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ハーブの効いたポテトソースとポーク。
ペルーは野菜が豊富で嬉しい。

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奥野も元気になってきた。
インターネットは使えないけれど、写真と感じたことの記録を残す。

暖炉に火をつけてもらい、
カイロを貼って、ダウンを着て、毛布にくるまって、ベッドに入る。

私たちが黒板に書いた名前(ひらがな)や年齢(漢字)を、
一生懸命ノートに書き写していた子供たちの姿を思い出して、笑みがこぼれる。

さぁ今夜はゆっくり休んでいい夢みれそう・・・・・

と思ったら、また高山病でか、寒さでか(?)、
頭痛と吐き気で夜中に苦しむことに・・・。

明日はいよいよアルパカとご対面。

つづく


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