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Reiko from Peru #17 「ペルーの家庭問題」 ペルー在住鏑木玲子さんのエッセイ

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家庭の問題

近頃、ムへレスウニダスの女性たちの何人かが家庭で問題を抱えていると耳にしました。一人目のケースは以前からあったことで、私は4、5年前までそのことを知りませんでした。彼女はよくこう言っていました。
「夫は私と話そうとせず、部屋には鍵をかけたままでいる」と。
彼女の夫は生活費を渡さず、時々は、油やジャガイモや米などといった食べ物を買ってくるようでした。彼はよく彼女に家から出ていけと言ったり、彼女を侮辱するような言葉を放っていました。

二人目のケースは約一年半前に始まりました。彼女は突然痩せてしまい、疲れているというよりは病気になってしまったように見えました。何が起きたのか私は数か月前まで気がつきませんでした。彼女の夫は彼女と会話をせず、食事も別々にとっていました。彼は時々食べ物を買ってくることはありましたが、彼女にお金を渡すことはありませんでした。彼女は政府の支援によって非常に安く食べ物を提供する食堂コメドールでも働いていました。そこで仕事を手伝うと、一日4皿まで食事を無料で得ることができます。彼女はそこの野菜部門で時々働いていました。そして週に一度、私の家を掃除しに来てくれました。(最初のケースの女性も同様に掃除をしに来てくれていました)。私たちの作業場で稼ぐお金では彼女の家庭の食費を全部賄うには充分ではなかったですし、私が払うお金もあまり多くはありません。彼女には五人の子どもがいて、一番上の子と二番目の子は働いてお金を稼いでいるようです。しかし、その子供たちが家族にお金を渡しているかどうかはわかりません。

三人目のケースは数か月前に起こりました。おそらくもっと前からこの問題を抱えていたのでしょう。彼女の家庭は作業場のメンバーの中でも最も上手くやっている夫婦でした。ですので、私が彼女の家庭を助けるということはありませんでした。彼女は作業場のリーダーとして再び選ばれていて、とても積極的でした。しかし数か月前、彼女は私のところにきて、夫が長女の専門学校の授業料を払うのを拒否していると相談にきたのです。彼女にはもう二人娘がいてその子達の授業料も払わなければいけません。それは民営の慈善学校ですが、少しのお金を払う必要があります。彼女は私に電話で、「一週間は作業場に来られない」と言いました。私のところに来て話をしたいと言っていましたが、私には彼女が何について話したいのかその時はわかりませんでした。私が作業場に行くと、彼女の妹が私を外に連れ出し、何が起こっているのかを話してくれました。現在彼女は夫と別居しているようです。彼女は高齢者の介護を必要としている家で、住み込みで仕事をしています。子どもたちは夫とカラバイヨの家にいるそうです。彼女が家に戻ると、夫は家を出て行き、彼女や子どもたちの面倒を見ようとしません。

彼女も食費や授業料など十分なお金はもっていません。長女は今の専門学校がまだ続きますし(私が寄付金を使って授業料をサポートしているのですが)、まだ2人の子供がいます。ペルーでは、新学期の頭に必要なものを全て買い揃えなければなりません。どのくらいかかるのかわかりませんが、彼女は今週末私の家に来るので話してくれるでしょう。

何がいったい問題なのか私にはわかりません。3人目のケースの夫は、以前から彼女が外で仕事をするのを好ましく思っておらず、家で子供の面倒を見ていて欲しいと思っていました。しかし彼はモーターバイクのタクシードライバーで、その収入は家族を養うには不十分でした。
ローンで買ったモーターバイクもまだ支払は終わってなく、妻が支払を続けているのです。

2人目の話の女性の一番下の息子は義務教育が終わるところで、もっと勉強を続けたいと言っています。でも夫はその費用を出すでしょうか。3人目の話の学校に通っている長女は、あと1年半期間は残っていますが、もう辞めたいと思っています。

今とりわけ困難を抱えている家庭の4人の子供たちの教育費を個人的に支援していますが、まだ他にもそれを必要としている子供たちがいます。

私にはこれは全て、この国に根強い男性優位主義の考え方に問題の原因があるように思います。男性優位の考え方は、他の国でも、とりわけアジアの国々で見られますが、この国では非常に根深いものがあります。男性がお金を稼いでいようがなかろうが、女性は男性の上にはあってはならないという考えです。

この問題を抱えている3人は、作業場のメンバーの中でもとりわけ長年私とのつながりが強い3人なので、家庭が崩壊していると聞いてとてもショックです。

何か私にも責められるべき原因があるのでしょうか。

玲子


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